認知症の症状と対応

中核症状:認知機能障害
記憶障害,失語,失行,失認,遂行機能の障害
lBPSD:認知症の行動・心理症状
・行動異常(攻撃性、不穏、焦燥性興奮、脱抑制、収集癖など) ・心理症状(不安、うつ症状、幻覚、妄想など) ※BPSD=behavioral and psychological symptoms of dementia 以前は,周辺症状と呼ばれていた



BPSDの分類

1)活動性亢進が関わる症状
  焦燥性興奮(agitation),易刺激性(irritability),脱抑制,
  異常行動(徘徊,攻撃的行動など)

2)精神病様症状:幻覚・妄想,夜間行動異常など
  ADでは健忘を背景としたもの盗られ妄想や被害妄想
  DLBでは誤認や幻視・錯視を背景にした嫉妬妄想や幻の同居人妄想

3)感情障害が関わる症状
  不安やうつ状態:AD早期に認められることあり
  DLBでは経過中,過半数にうつ状態

4)アパシー:自発性や意欲の低下
  情緒の欠如,不活発,周囲への興味の欠如

BPSD対応の原則

1)介入前にBPSDの基質的原因を除去

  •身体合併症や便秘の治療,医原性の鑑別

2)ケアや環境の評価

  •環境調整として介護保険サービスの利用も検討

3)非薬物療法を優先

  •無効または適応がないと場合に薬物療法を行う

4)パーソンセンタードケアを基本とする

5)介護者負担への配慮

  •患者と介護者双方の希望を満たすプログラムの検討

BPSD発現時のチェック項目

1)身体合併症の悪化

  •感染症,脱水,疼痛,視覚・聴覚障害など

2)以前からの精神疾患

3)服用中の薬剤と服薬状況

  •認知症治療薬,H2ブロッカー,第一世代抗ヒスタミン薬

  •ベンゾジアゼピン系,三環系抗鬱薬,抗コリン作用のある薬剤

4)環境変化や出来事の把握

  •転居など住環境の変化,騒音など

5)家族・介護者などの人間関係

  •不適切なケア,介護サービスの利用状況など


対応方法について考える


認知症の世界
・アルツハイマー型認知症の世界=物忘れの国   5分前のことは存在しない.50年前のことは存在する ・レビー小体型認知症の世界  =変動が激しい幻覚の国   健常人には見えないものが見える.調子のよい時と悪い時の変動が大きい ・前頭側頭葉型認知症の世界  =自己中心の国   周囲の人の都合はお構いなし+常同行為,言語障害,短絡的な行動,意欲低下,食事の変化  結論:   ・説得・説明は無効.むしろ逆効果   ・叱る・怒るなど否定的な言動は絶対に避ける